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米国GAFA系の会社と面接をした話

Apr 03, 2021

米国GAFA系(再)就職活動体験記

 

ある日、米国GAFA系のリクルーターのかたから、打診がありました。

GAFA系と書いているのは、その会社がどのGAFA系の会社だったのかを伏せておくためです。

こう書いても分からないと思いますが、

 

顔の本

と日本語にすると訳せます。

 

特に、日本語にしますと、

即席グラム

と言われる部門の仕事で、ユーザーの経験をどのように向上させるかをデータ面からサポートするようなリサーチの仕事でした。英語ではUX Researchと呼びますが、uxの部分はUser experienceという意味です。

 

なぜ、このように、どの会社だったかを伏せているかというと、ネタにしたと思われたくないからです。すみません。

 

想像にお任せします。無理かもしれませんね。

 

さて、リンクトインから最初に連絡がありました。もし興味があったら、電話で話しませんかということで、まずは第1回の電話面接がありました。

 

第1回 電話でトーク

これは、私の専門について20分ほど聞かれました。目的は、おそらくそのリクルーターの人が私の専門と、ポジションの相性を見るものだと思います。

 

私の専門は評価研究という分野で、特に教育関係のプログラムに効果があるかということをデータ、実験で検証します。

どんな統計メソッドを使うかなども聞かれました。

 

その後で、簡単なメールが届き、項目ごとの経験を聞かれました。その項目は

重回帰モデル

マルチレベルモデリング

サーベイ

などといったリサーチ関連のことでした。

それから、分析にはどのソフトを使うかということで、私は

R

SAS

の二つを挙げました。

 

その後、第2回の面接をしたいとの打診がありました。今回は、電話ではなく、オンラインでの会議になりました。

 

第2面接 専門分野関連のテスト

30分ほどでしたが、今度は、リクルーターではなく、その会社のリサーチャーのかたが、私に色々と専門的なことを聞いてきましたが、それも、ややこしいことでした。

「あなたが好きなアプリを一つ選んでください」

と言われました。

全然準備をしていなかったので、聞かれてから、自分のスマホを見ました。

アプリといえば、銀行のアプリがありましたが、それをトピックとして選ばなくて良かったです。

ツイッターのアプリがあると言ったら、「じゃ、それで」ということになりました。

「ユーザーがそのアプリに登録したのに、全然、使い始めない状態があるとします。どうやって、その原因をリサーチしますか?」と言われました。

後で考えますと、ネット上に、こういう面接に関する情報がたくさんありますので、準備していても良かったとは思います。

私は、「使う気が起こらないのは、面白くないから、フォロワーが増えないから」と言いまして、そのユーザーに適切なツイッターアカウントを推薦することでなんとかなるだろうと仮定し、そのためのリサーチデザインを述べてみました。

 

自分は大学院時代にネットワーク分析をしていたので、そのユーザーが楽しくなるようなネットワークの中に組み込めるように、他のユーザーを推薦すべきであり、仮説としては、

趣味が同じユーザーを推薦すれば、ツイッターをもっと使う

年齢が同じ層であるユーザーを推薦すれば、ツイッターをもっと使う

などというような仮説を立てました。

そして、これらを変数として、データを作って、統計モデルで検定すればいいと言いました。

趣味が似たことが大切であることが分かれば、アルゴリズムを改良して、そうなるようにすればいいと言いました。

 

これは30分ぐらいだったと思います。

 

その後、リクルーターのかたから連絡があり、次のステップに進みたいということで、2週間後に、最終面接となりました。その最終面接というのは、

  • 45分間の独自のリサーチのプレゼン
  • 現役のリサーチャーによる面接で技術面 45分
  • 休憩1時間
  • プロダクト関連の面接 45分
  • 行動に関する面接 45分

2週間あるということで少しYOTUBEなどで調査したりして過ごしました。

コロナの時代でなければ、実際に、カリフォルニアのSFに行って、現地でやる面接です。コロナ中ですので、全部、オンラインです。

その間、今度は、リクルーターのもう一人のかたが、3回ほど電話で、最終面接の様子について説明してくれました。特に、自分は、プロダクト関連の面接の内容が想像できなかったので、そのかたに教えてもらいました。

プロダクト関係というのは、product senseと呼ばれていて、ネット上には、フェースブックのProduct senseの面接ではこんなことを聞かれるぞという動画がたくさんあります。

自分は自分のリサーチのプレゼンは別にいつもやっていることだったので、良かったのですが、このproduct senseが恐怖でした。YOUTUBEにはたくさんの例がありました。こんな質問をされるとありました。

どんなアプリがすぐれたアプリ?

どうやってユーザーエクスペリエンスを向上させる?

あるアプリを開発してローンチしたのに、ユーザーが増えない、、どうする?

 

最終面接

さて、繰り返しになりますが、以下のようなスケジュールでした。

  • 45分間の独自のリサーチのプレゼン
  • 現役のリサーチャーによる面接で技術面 45分
  • 休憩1時間
  • プロダクト関連の面接 45分
  • 行動に関する面接 45分

 

最初のプレゼンですが、これは私の研究を発表しました。その日に面接をしてくれるスタッフの皆さんと、あと2人ぐらいのかたが見てくれました。

たまたま私は仕事で論文を書いていて、その論文が完成する3日ぐらい前だったので、言いたいことは頭に入っていたので、別に緊張しませんでした。

質問は、「もし違うやりかたをするとしたら、どうやる?」と言われました。

自分は、この研究に使った変数を改良したいと言いました。

もう一つの質問は、あなたは協力者がおられるけど、どんな役割をしたのかということでした。

 

さて、プレゼンが終わり、今度は、現役のリサーチャーの方の45分に渡る面接です。

まずは色んな知識について聞かれました。ちょっと勘違いしたかもしれません。

例えば、RCTとQED、そしてSURVEYはどう違う?と言われて、自分にとっては、これらのことは、あまりに当たり前だったので(豆腐は何?と聞かれたようなもの)、やや専門的に長々と話してしまったんですけど、短めに答えたら良いようでした。

 

サーベイをつくるときにどうするか?サーベイの質問はどういうのが悪い?

みたいな基本的なことを聞かれました。 

今日、プレゼンした以外の研究でもう一つのを選んで話してほしいといわれました。その研究を何にするかに戸惑いましたが、ネットでの情報では、「ちょっと1分ほど考えさせて」というように、時間をもらってもいいということでしたので、ゆっくりと考えたところ、5年ほど前にやった研究を思い出しました。

 

それは自然災害の受けた地域での心理調査でした。 

「その研究ではどんなサンプリングをした?」「もしそれを改良するとしたらどうする?」みたいなことが次から次へと聞かれます。

 

サンプリングも何も、自然災害を受けた場所での調査です。 

でも、まあ、自分はもう20年ぐらいやっているメソッドや分析の話なので、別に普通に答えることができました。

「どうやって、データのNON RESPONSEが分かる?(答えなかった人がいたかどうかというのがどうやって分かるの?)」

「どうやって、それを統計的に処理する?」

などなど、聞かれましたが、さすがに20年以上やっていることなので別に普通に答えられたと思います。

「調査票のアイテムを作りなおすとするとどんな風なのになる?」

などなど、、、45分に渡り、えんえんと聞かれました。

さて、同業者のかたなら笑っていただけると思うのですが、ここまでは、結構、星飛雄馬的な世界で、結構、タフな感じがしましたが、最後の質問が、

p-valueって何?

でした。これは統計学のp値というやつです。

は、GAFA系の面接で、この質問が最後なの?

と椅子からこけ落ちそうになったのです。

 

「豆腐って何?」と聞かれたようなものです。

 

「二つの平均の差が3だったとして、その差が本当にあるのか、あるは実はゼロなのかを統計的に判断するときに、p値を見るんだけど、NULL仮説をREJECTする確率で、普通は0.05をアルファ値として使う」と答えました。 

 

そして、1時間休憩の後、、、自分の恐れるproduct senseの面接になりました。

さて、今回は、プロダクトデザインの仕事をなどをしているかたです。

プロダクトマネージメントという分野があるのですね。

全然考えたことがありませんでした。

「なにかアプリを選んでください」と言われ、

私は「顔本」のグループをよく使うと言いました。

「もし、突然、アジアのほうで、そのグループが使われなくなっていたとしたら、その原因をどうやって調べる?」と聞かれました。

まあまあ、普通に答えられたように思います。ネットで準備していたからです。

「好きなアプリは?」

「どうやったら、質が向上すると思う?」

などといろいろと質問が出ました。

すでに言いましたが、ネットで調べたときに、「時間をもらってもいい」ということでしたので、たまに考えたりして、何とか答えることができました。

意外と普通に答えることができたのですが、それはインタビューしてくれたかたがリラックスした雰囲気にしてくれたからというのもあります。

 

さて、最後は行動に関する面接ですが、これは、

「どんなときに仕事が楽しい?」

「タスクが複数あったら、どうやって、どれをプライオリティーを決める?」

などというものでした。

これまで速いペースのリサーチしたことある?

という質問に上手に答えることができませんでした。考えすぎてしまって、クライアントからのリサーチのリクエストに答えた経験を話そうとして、ちょっとつまってしました。実際は、同じ会社内でいつもあることなので、それを言えば良かったです。

 今考えると、そういう質問に対しては、相手の意図を察して、「自分は速いペースでも大丈夫」と言って、説明したら良かったかと思います。

リサーチって、何日ぐらいかける?と聞かれましたが、その会社に勤めたことがないの分かりません。

でもそんなときには、後で考えますと、相手が心配しているのは、私がゆったりしたペースの業界から、その業界にはいるということで、大丈夫かな?ということだと思うので、大丈夫だと言って、例を出せば良かったのかな? 

 

というわけで、4時間ぐらいにわたる最終プレゼン面接が終わり、へとへとになりました。

へとへとになった理由は4時間だけでなくて、その前の数時間、ぶつぶつと独り言で練習をしていたので、どっと疲れが出たのです。

 

3日後に、メールで連絡があり、残念ながら、オファーはなしということで、また1年たったら、何か興味のある仕事が発表されていたら、私に連絡してくれ、、と言われました。

 

自分としては、新しい世界に入れるかな?と思って期待したのですけどね。

 

以上です。

 

ちなみに最終面接が決まったときに、ウェブサイト上で、経験やアドバイスを教えてくれるということで、その会社のサイトから、スタッフのかたに連絡を取ることができまして、その人とオンラインで話しました。また、リンクトインからもその会社の人で、以前同じ会社に勤めていた人がいたので、オンラインで話しました。どちらとも中国人のかたでした。

FB上で知っている人にFBの日本人のエンジニアのかたを紹介してもらい、メッセージで会社の様子などを聞きました。

非常に濃い内容のプロセスでしたが、サポートシステムが充実していると思いました。

 

さて、ここまでタンタンと書きましたが、本音は

しんどかった~~~~

です。

 

今回は、コロナでオンラインだけでしたので、ものすごくしんどい面が目立ったのですが、これがコロナじゃなかったら、サンフランシスコに招待されて、その会社の案内をしてもらったり、ディナーを一緒にしたりと、エンタメの要素あったと思います。そうであれば、しんどめのプロセスも楽しいものになったことでしょう。

 

オンラインだけだと、しんどかったという思いがあります。でも、良い経験になりましたし、その会社のスタッフのかたには感謝の気持ちしかありません。

 

ただ、少しだけ感じるのは、そもそも私はこの仕事に応募していないのですが、結果としては何十時間の時間を費やしましたので、もし、オファーがなかった理由が、現在、私がしている専門とフェースブックの世界が違うということでしたら(最初から分かっている場合ね)、微妙に、

大迷惑だった

という気持ちが、、、絶対ないですからね。

ないですよ~。

準備に時間がかかったとか、迷惑だったとか

思っているわけないじゃないですか。

 疑わないでくださいよ。

皆さんだったらどうですか?

 

1)応募したのではないけど、面接をと言われた

2)結構、準備した

3)4時間かけて面接・プレゼンでぐたぐた

4)オファーがなかった

 

もちろん、大迷惑ではないですよね?

ね? 

 ま、上は、ちょっと冗談です。

この面接をしたおかげで、自分自身のオンラインコースに関しても、もっと充実させたいと思いました。ユーザーが私のコースをどのようにしたらもっといい感じで体験できるのか、、これを真剣に考えていきますね。

 

 

さて、落胆はしたんですけど、ちょうどその日にテレビでやっていたのは、警官に殺された故・ジョージ・フロイドさん関連の裁判でした。彼や多くの差別を受けてきて、不当な扱いを受けている人がたくさんいるなか、この会社からオファーがもらえなかったということは本当に、本当に小さいことだよな~と思いました(これ本当にそう思いました)。

 

ちょっと蒸し返しますけど、皆さんだったらどうですか?

糞(くそ)忙しいときに、何か頼まれて(こちらから頼んだんじゃなくて)、10時間以上時間をとられたらどうでしょう?

もちろん感謝の心ですよね。

って、まだ冗談です。もちろん、感謝の気持ちにあふれてますよ。

 

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